伊坂ファンでなくても楽しめると思います。二編の小説(『シーソーモンスター』、『スピンモンスター』)から成る本作ですが、『シーソーモンスター』のほうはバブル景気を体験している世代は感慨深く読めるのでは。そうでないかたも今の日本とのギャップを知ることができておもしろいかも。(ネタバレしたくないのでどうでもいいことを書いてしまっている感があります…。)
出会ってはいけない二人が出会ったとき、世界の均衡は崩れ、物語は暴走する――
【時代をまたいで疾走する、エンターテインメント小説2篇! 】
我が家の嫁姑の争いは、米ソ冷戦よりも恐ろしい。
バブルに浮かれる昭和後期の日本。一見、どこにでもある平凡な家庭の北山家だったが、ある日、嫁は姑の過去に大きな疑念を抱くようになり……。
(「シーソーモンスター」)
突然、僕は巻き込まれてしまった。時空を越えた争いに――。
舞台は2050年の日本。ある天才エンジニアが遺した手紙を握り締め、彼の旧友と配達人が、見えない敵の暴走を前に奮闘する!
(「スピンモンスター」)
(アマゾン商品紹介より)
シーソーモンスター
映像化したくなる業界のかた、いるんじゃないかな。私の脳内キャスティング、できましたもの。「俳優さん、女優さんの演技が見たい、映像化求む」と思う伊坂作品は初めて。
スピンモンスター
人の記憶というものについて考えさせられました。重いテーマながら軽妙なタッチを忘れないところがいい。
「螺旋」プロジェクト
本作は「螺旋(らせん)」プロジェクトのうちの一冊なのですが、同じくプロジェクトを構成する、朝井リョウの『死にがいを求めて生きているの』も読みたいなあ。いつか図書館で借りようかな。
『フーガはユーガ』、本屋大賞は逃しましたが、私は大好きです。風変わりなストーリーですから、逆に賞とったらびっくりしちゃうかも。