映画を観る気にさせてくれた作品。
本作のタイトル、星野源が敬愛するユニコーンの楽曲『働く男』に由来するそうです。
仕事への依存感、中毒感、過剰な苦しみを感じていたという星野源が、大病の前に書いたエッセイをメインとした本作ですが、初版の帯には「どれだけ忙しくても、働いていたい。ハードすぎて過労死しようが、僕には関係ありません。」と書いてあるそう。
文庫版のまえがきに書かれていますが、現在は「サボりたい、遊びたい、働きたくない」と思うようになったとのことです。肩の力を抜いて仕事と向き合うようになったということなのかな、と思いました。
本作の中で、雑誌『ポパイ』の映画ページで連載していた映画コラムの項目を読んでいるうちに、映画が観たい、という気持ちがわいてきました。
マイナーな映画紹介が多かったのですが、『英国王のスピーチ』のコラムがあり、「ひとりスタンディング・オベーション出ました」とのタイトル。
この映画、アカデミー賞作品賞、主演男優賞、脚本賞、監督賞を受賞していて、huluでも配信しているし、気になっていたんですが、このコラムに後押ししてもらえた気分です。しばらく遠のいていた、映画を一人でじっくり観るということを満喫できました。
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吃音症であるにも関わらず国王にならなくてはいけないという苦悩。全く自分とはかけ離れた存在ですが、国王ってこんなに大変なのね、苦しみがひしひしと伝わってきます。
オーストラリア人のスピーチセラピストも主要人物ですが、当時、上流社会でオーストラリア人に対する差別的感情があったのだな、ということがわかりました。
実話に基づいているだけに、観ているうちに登場人物への思い入れが強くなり、第二次世界大戦開戦に進んでいく張り詰めた空気もあいまって映像に引き込まれて行きます。観て良かった!
今は同じく星野源、『いのちの車窓から』を読んでいます。